マディーナ訪問とその徳とその地位

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マディーナの別名î

1.マディーナ:

クルアーンかれらは、{わたしたちがアル・マディーナに帰れば、そこの高貴な者が卑しい者たちを必ずそこから追うでしょう。と言う。}[偽信者章8節]

2.ターバ:

ジャービル・ブン・サムラは言いました。(私は、アッラーのみ使い様が至高なるアッラーはマディーナをターバと名付けられたとおっしゃるのを聞きました。)(ムスリムの伝承)

3. Teyyîbe

ザイド・ビン・サービトは、預言者が次のように語ったと伝えました。(それは、タィバです。銀の不純物を火が取り除くようにそれは罪を取ってくれます。)(合意の伝承)

マディーナの徳

1.サアド・ブン・アビーワッカースは、アッラーのみ使い様が次のようにおっしゃったと伝えています。(もしアッラーがそこでより良い者と取り換える場合を除いて、そこを嫌って出ていく者は一人もいないことを彼らが知っているならば、マディーナは彼らにとって最も良いところです。そして私が審判の日に執成す者や証人とならずに誰でもそこの困難)(困難で厳しい生活)(や苦労を持ち続けることはありません。)(ムスリムの伝承)

2.アブー・フライラは預言者が次のように語ったと伝えました。(私は、ほかの村々を食べつくす一つの村を命じられました)(私は、そこへヒジュラ(移住)し、そこで降りてそこに住むように命じられた。)(。人々はそれをヤスリブと呼んでいますが、それはキール(鞴))(鍛冶屋が火に空気を吹き込む道具。)(が鉄の不純分)(鉄に含まれる汚れや不純物。)(を取り除くように人の悪)(人々の中から邪悪なものを排除する。)(を取り除くマディーナです)。
(合意の伝承)

ヤスリブ:預言者がヒジュラするまでの地名。ヒジュラ後は、マディーナト・ナビー(預言者の町)からマディーナ(町)と呼ばれる。

マディーナの特殊性からî

1.そこは、アイルとサゥル(二つの山)の間にあって神聖で安全な場所です。ですからそこでは木を切ることも狩猟をすることもできません。

アッラーのみ使い様は、おっしゃいました。(マディーナは、アィルとサゥルまでの間はハラム(聖域)です。そこで事件を起こす者やその犯行者を匿う者は、アッラーも天使も人々からも全ての者から呪いを受けるでしょう。また審判の日には、アッラーは、彼の行為も公正さも受け入れません。)(合意の伝承)

アッラーのみ使い様は、預言者イブラーヒームがマッカを聖域にしたようにマディーナを聖域としました。これはアブドッラー・ブン・ザィドが伝える次の預言者の言葉によります。(イブラーヒームがマッカを聖域にされたように、私はマディーナを聖域としました。またそこを丁度イブラーヒームがマッカにしたようにムッドとサーア(それぞれは量りの単位だが意味は売買)について祝福しました。)(ブハーリーの伝承)

マッカのハラム(聖域)とマディーナのそれの違いは、

マッカのハラムは、クルアーンとハディースのテキストとイジュマー(合意)によって定められていますが、マディーナのハラムはそこに相違がみられます。しかし、そこがハラムであることは正当とされます。

2.そこでの礼拝は、倍加されます。

預言者様は、おっしゃいました。(私のこのマスジドでの1回の礼拝は、マッカのマスジド・ハラームを除いてそれ以外の場所での礼拝の1千回以上良いものです)。
(ブハーリーの伝承)

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サウル山

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アィル山

3.その中には天国の園の一つの園(ラウダ)があり、そこで礼拝することはスンナです。

アブー・フラィラは預言者が次のように語ったと伝えました。(私の家と私のミンバル(説教台)の間には天国の園の一つの園(ラウダ)があり私のミンバルは、私のハウド(水飲み場)のそばにあります)。(合意の伝承)

4 終末の時、マスィフ・ダッジャール(偽キリスト)は、そこに入ることはありません。またターウーン(ターウーン:ペストなどの疫病。)も入りません。 アナス・ブン・マーリクは言いました。(アッラーのみ使い様は、こうおっしゃいました。マスィフ・ダッジャール(偽キリスト)がマディーナにやって来た時、天使がそこを守っているのを知ります。そのためにアッラーがお望みなら、ターウーンもダッジャールもそこに入ることはありません。)(ティルミズィーの伝承)

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ラウダ

5.アッラーのみ使い様は、マディーナのために祝福をお祈りになりました。

アナスが預言者の次の言葉を伝えました。
(アッラーよ、あなたがマッカに与えた祝福の2倍をマディーナにお与えください)。
(合意の伝承)

6.マッカでの狩猟は、罪と罰があります。マディーナの狩猟は、罰のない罪になります。マッカの狩猟による罪は、マディーナの狩猟による罪よりも重大です。
(ムムティウ第7巻257ページ参照)

預言者モスク訪問の規定

預言者モスクの訪問は、ハッジの条件でもルクヌでもワージブでもありません。それはスンナです。それはいつでも行えます。

その訪問の意図は、預言者の墓所を除いたマスジドでの礼拝でなければなりません。それはアブーフラィラによる預言者の次の言葉によります。(3つのマスジド:マスジド・ハラームとマスジド・ナバウィーとマスジド・アクサー以外には旅をしてはなりません。)
(ムスリムの伝承)

イスラームのシャイフ(長老)イブン・タィミーヤは、語りました。もし旅の目的が預言者のマスジドでの礼拝ではなく彼の墓参だったら・・・それに対してイマームたちと殆どの法学者は、それは規定されていないし、命じられてもいません。・・また預言者の墓の訪問についてのハディースは全て伝承経路が弱いことでハディース学者は、一致しています。むしろそれらは、マウドウーウ(偽造されたハディース)で、信頼される伝承者は、それらに関わっていません。またイマームの誰もそれらを正当性の根拠としていません。

マジュムーウ・アルファターワー
(27巻26ページ)

訪問の規則と礼儀

1.訪問者がマスジ度に到着した時のスンナは、右足から次のように言いながら入ります。(アッラー・フンマ、イフタフ・リー・アブワーバ・ラフマティカ)(ムスリムの伝承)

意味:アッラーよ、私にあなたの慈悲の扉をお開け下さい。

2.タヒーヤトルマスジド(マスジドへの挨拶)の礼拝を2ラクア行います。最も良いのはそれをラウダ・シャリーファ(高貴な園)で行うことです。

3.預言者と彼の二人の教友(アブーバクルトウマル)の墓を訪問することは、スンナです。品よく敬虔に声を低くし墓に向かって立ち次のように祈って言います。アッサラームアラィカ・アィユハンナビーユ・ワ・ラフマトッラーヒ・ワ・バラカートフ。サッラッラーフ・アラィカ、ワ・ジャザーカ・アン・ウンマティカ・ハィラン。意味:預言者様、あなたに平安がありますように。またあなたにアッラーの慈悲と祝福がありますように。アッラーの祈りがあなたにありますように。アッラーがあなたのウンマの代表ととして良いもので報いてくださいますように。

それから一歩か二歩右に進んでアブー・バクルの墓の前に立ち次のように言って挨拶します。アッサラームアラィカ・ヤー・アバー・バクリン・ハリーファタ・ラスーリッラー。サッラッラーフ・アラィヒ・ワサッラム。ワ・ラフマトッラーヒ・ワ・バラカートフ。ラディヤッラーフ・アンカ・ワ・ジャザーカ・アン・ウンマティ・ムハンマディン、サッラッラーフ・アラィヒ・ワ・サッラム、ハィラン。意味:アブー・バクル様、あなたに平安がありますように。アッラーのみ使い(アッラーの平安あれ)の後継者。またあなたにアッラーの慈悲と祝福がありますように。アッラーがあなたに満足され、アッラーがムハンマド(アッラーの平安あれ)のウンマの代表として良いもので報いてくださいますように。

それから一歩か二歩右に進んでウマルの墓の前に立ち次のように言って挨拶します。アッサラームアラィカ・ヤー・ウマル・アミーラル・ムゥミニーン。ワ・ラフマトッラーヒ・ワ・バラカートフ。ラディヤッラーフ・アンカ・ワ・ジャザーカ・アン・ウンマティ・ムハンマディン、サッラッラーフ・アラィヒ・ワ・サッラム、ハィラン。意味:ウマル様、あなたに平安がありますように。信者の長。またあなたにアッラーの慈悲と祝福がありますように。アッラーがあなたに満足され、アッラーがムハンマド(アッラーの平安あれ)のウンマの代表として良いもので報いてくださいますように。

4.マスジド・ナバウィーを訪問した人は、5回の義務の礼拝をそこで行い、多くアッラーを稔昌し祈ることがスンナです。特にラウダでの任意の礼拝を多く行うこともスンナです。

5.マスジド・クバーを訪問し、そこで礼拝することはスンナです。もしその日が土曜日であれば最も好ましいことです。それはイブヌ・ウマルの伝承によります。かつてアッラーのみ使い様は、マスジド・クバーをラクダに乗ったり徒歩で訪問し、そこで2ラクアの礼拝をしていました。また別の言葉によります。(マスジド・クバーに毎土曜日やって来られました。) (ムスリムの伝承) (ムスリムの伝承)

6.バキーウ霊園(バキーウ:マディーナの住人のための霊園。)の訪問と殉教者たちとハムザー(預言者の叔父)の墓を訪問することはスンナです。何故なら預言者は、かつてそこを訪れ彼らのためにこう祈っておっしゃいました。(アッサラームアラィクム・アハラッディヤーリ・ミナルムゥミニーナ・ワルムスリミーン、ワ・インナー・インシャーアッラーフ・ビクム・ラ・ラーヒクーン、アスアルッラーハ・ラナー・ワ・ラクムルアーフィヤ意味:ムゥミン(信徒)とムスリムの墓の人たちよ、私たちはアッラーがお望みになられれば、あなた方に合流します。私はアッラーに私たちとあなたたちの赦しを求めます)。
(ムスリムの伝承)

訪問における間違いと注意点

1.マディーナの遺跡や墓参を意図して旅に出ること。許可されていることは、マスジド・ナバウィーの訪問とそこでの礼拝です。そしてその中に墓への訪問が含まれているということです。

2.ドアー(祈願)の時に、墓に向かってそれを行うこと。

3.威厳あるアッラーを除いて預言者に祈り自分の必要とすることを求めること。これは最大の罪、多神崇拝です。4.恩恵を意図し墓の部屋の壁に触ること。これは禁じられたビドア(根拠のない改変)であり、多神に繋がる手段の一つです。

5.預言者の墓で大声を上げたり長時間立ち尽くすこと。モスクに入るたびに遠くからタスリームを繰り返す。その時、礼拝の時のように胸の上で左手の上に右手を置くこと。



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