Îイフラーム

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イフラームの定義

イフラームの語義:

禁止

イフラームの法的意味:

ハッジの行為の一つと結びついて宗教儀礼を始めるという意思決定。

Îイフラームは、ニーヤ(意思決定)なしには成立しません。それでハッジあるいはウムラを決意せずにはムフリム(イフラームになた人)になりません。何故なら彼が国からハッジあるいはウムラを決意して旅に出た時からイフラームを着たりタルビヤを言うだけではムフリムになりません。そこに儀式に入るというニーヤがないからです。それは預言者の次ぎの言葉によります。(全ての行為はニーヤによります。全ての人はそのニーヤしたものを得ます。)(合意の伝承)

イフラームの好ましい事ê

1.沐浴

ハーリジャは、彼の父ザィド・ブン・サービトからの伝承を伝えています。(彼は預言者がイフラームのために服を脱ぎ、沐浴するのを見ました。)(テルミズィーの伝承)

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2.身ぎれいにすること

それは両脇の毛や恥毛をそること。口ひげと爪を短く整えること

3.香水を使うこと

アーイシャは語りました。(私は、アッラーのみ使い様がイフラームになる時、いつも彼に香水をかけていました。)しかしみ使いの次の言葉によりイフラームにはかけませんでした。(サフランやワルス)
(染料に使われる、香りのよい黄色い植物)(を付けた服を着てはいけません。)(合意の伝承)

4.男性は、イフラームの前(一方、イフラームの後は、縫い目のある服を脱ぐことは義務になります。何故ならそれはイフラームの禁止事項だからです)に縫い目のある服(それは体の部分や全体を覆うために縫われたもので、シャツやパンツなどです。)を脱いで、白いイザール(腰布)とリダー(上布)を着てサンダルを履くこと

預言者はおっしゃいました。(誰でもイザールとリダーとサンダルでイフラームになりなさい。もしサンダルがなければホッフ(靴の下に履く履物)を踝が出るように短く切って使いなさい。)(アフマドの伝承)一方、女性は好きな服装でイフラームになります。決まった色はありません。しかし、男性に似た格好や飾りの多い服装は避けます。またニカーブ(顔を覆うベール)と手袋(女性が手を覆うために身に着けるものです。)はイフラームの時は着けません。

しかし、身内でない男性が同席する時は、頭からすっぽりと服を垂らし顔を覆います。これはアーイシャの次の言葉によります。
(私たちがアッラーのみ使い様と一緒にムフリムとしていた時、ラクダに乗った男たちがそばを通り過ぎました。彼らが私たちに対面するくらいになった時、私たちの一人が彼女の外套を頭の上から顔の上に垂らしました。そして彼らが行き過ぎた時、私たちはそれを取り除きました。)(アブー・ダーウードの伝承)

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ムフリムのイザールとリダー

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女性のムフリムのための手袋

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ムフリムのためのサンダル

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女性のムフリムのためのニカーブ

イフラームの禁止事項

1.男性が頭部に接するもので頭を覆うことê

イブヌ・ウマルが伝えました。二人の男が、(アッラーのみ使い様、ムフリムは何を着ればいいのですか?と尋ねました。アッラーのみ使いは、シャツやターバンやスィルワール)
(ズボンとして知られているもの)(やバラーニス)(フード付きの服)(を着てはなりません。とおっしゃいました。)(合意の伝承)

ムフリムで亡くなった者について預言者は、おっしゃいました。(彼の頭を覆ってはなりません。)(頭を覆うものを被せはならない)(彼は審判の日、タルビヤを唱えながら復活するからです)。(ブハーリーの伝承)

例えば傘やテントや家や自動車の屋根のように頭に接していなければ、それらを利用することは罪にはなりません。

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ムフリムにとってのターバン

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ムフリムにとってのズボン着用

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ムフリムにとってのキャップ

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ムスリムにとっての傘

2.男性にとって縫い目のあるものの着用

縫い目のあるものの意味は、体の一部や全体の大きさに縫われたもので、服やズボンやシャツやホッフや靴下や手袋のようなものです。根拠は。前述のイブヌ・ウマルの伝承によります。(シャツやターバンやスィルワールやバラーニスやホッフを着てはなりません)。(合意の伝承)

イフラームを望む人がイザールがない場合は、イザール(旅行に行くときに飛行機や船にイフラームの布を入れた旅行鞄を預けてしまい、手元にイザールがないときは、自分の服を脱ぎ、ズボンをイザールの代わりに履き、シャツをリダーのように体に巻き付けて代わりにする事が出来ます。そして目的地に到着してイフラームを取り出し、それに着替えることは問題ありません。)が手に入るまでは代わりにズボンを履くことが出来ます。サンダルがない時にはホッフを履くことが出来ます。預言者は、おっしゃいました。(サンダルが見つからない人はホッフを履きなさい。そして踝が出るように上を切りなさい。)(イブヌ・フザィマの伝承)

3.狩猟や漁労

クルアーン:{信仰する者よ、あなたがたが巡礼者の間は、狩猟して鳥獣を殺してはならない。}[食卓章95節]つまり、巡礼やウムラでムフリムである間。クルアーン{だが陸上の狩猟は、巡礼着の間は禁じられる。}[食卓章96節]陸上の狩猟の意味は、食用が許されている野生の動物や鳥の猟のこと。

家畜は猟の中に含まれません。それでムフリムは、鶏や家畜の動物などは屠畜して食べることは許されます。また漁労については許されます。クルアーン{海で漁労し、また獲物を食べることは、あなたがたにも旅人にも許されている。}[食卓章96節]また食べることが禁じられている蛇やサソリのような動物を殺すことは許されます。そしてムフリムに対して襲ってくる全ての動物は、殺すしか身を守れない場合は、殺すことが許されます。

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サソリを殺すことは許される

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漁労は許される

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家畜の屠畜は許される

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蛇を殺すことは許される

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鳥の狩猟は禁じられる

4.剃髪あるいは短髪あるいは髪を引き抜くこと

クルアーン{そして供物が犠牲を捧げる場に到着するまで、あなたの頭を剃ってはならない。}[雌牛章196節]この禁止規定は、頭髪から類推して体全ての毛についても適用される。

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剃髪と短髪

5.爪を切ること

両手と両足のすべての爪を切ること

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ムフリムに対する両足の爪を切ること

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ムフリムに対する両手の爪を切ること

6.体と衣類に香水を付ける

イフラームになったムフリムは、体と衣服に香水を付けることあるいはその匂いを嗅ごうと意図することは禁じられます。これは前出のイブヌ・ウマルの伝承によります。その中で(サフランやワルス)(染料に使われる、香りのよい黄色い植物)(を付けた服を着てはいけません。またムフリムとして亡くなった者の伝承によりますと預言者は、彼に香水)(ハヌートという死者を包む布に香水を混ぜた物を使用すること。)(を付けてはいけません。とおっしゃいました)。(ブハーリーの伝承)

7.結婚契約

ウスマーンの伝える次の伝承によりますとアッラーのみ使いは次のようにおっしゃいました。(ムフリムは、結婚をしてはいけません。また結婚させることも婚約することいけません。)(ムスリムの伝承)

8.性交

クルアーン{巡礼の務めを果たそうと決心した者は、巡礼中、猥褻な行いをしてはいけません。}[雌牛章197節]イブヌ・アッバースは、これは性交のことで、イフラームで一番厳しい禁止事項のことだと言いました。

9.性器を除いた接触

キスや愛撫のようなことですす。それらは性交へ導くことになりますからイフラームの禁止事項になっています。

女性がイフラーム中禁じられる行為

女性にとってイフラームの禁止事項は男性と同じです。

ただし次のことは異なります:

1.縫い目のある衣服を身に着けること。

2.頭を覆うこと。

3.ニカーブ(ニカーブ:女性が顔を覆うもの。)と手袋(カッファーズ(手袋):手に着けるもの。)をしないこと。預言者は、おっしゃいました。(ムフリマ(女性のムフリム)はニカーブをしてはなりません。また手袋を付けてはなりません。)(ブハーリーの伝承)

近親者以外の男性が同席する場では、女性はニカーブ(1)を使わない、服を頭から垂らすやり方で顔を隠します。また彼女が金の装飾を付けることは許されます。

指針

1.イフラームになってから2ラクアのスンナの礼拝は根拠のない物です。同様にイフラームの時の決められたドアー(祈り)は定められていません。

2.もし飛行機で移動する時ミーカートに着いた時にイフラームに着替えられない恐れがある時は、先に自宅か飛行場でイフラームに着替えます。しかしその時はミーカートに来て巡礼のためのニーヤをするまでは、ムフリムになりません。

3.一部の巡礼者は、イフラームの右肩を出して着ていますが、そしてそれをイドティバーウと名付けています。しかしこれは正しくありません。イドティバーウは到着のタワーフの時だけ行うことで、それ以外では、両肩を覆います。

イドティバーウ

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巡礼者への全体的アドバイス

ムスリムがハッジまたはウムラへの旅を決意した時、次のガイドラインに従わなければなりません。

1.家族や仲間に偉大なるアッラーへの恐れを忠告すること。それはアッラーの命令を実行し禁止事項を避けることです。

2.彼の持っている債権と負債を書き出し、それを証言すること。

3.全ての罪から心からの改悛を急ぐことは義務となります。信仰する人々よ、アッラーに改悛しなさい。おそらくあなた方は、成功するでしょう。至高なるなるお方はおっしゃいました。{あなたがた信仰する者よ、謙虚に悔悟してアッラーに帰れ。恐らく主は、あなたがたの様々な悪を払い、川が下を流れる楽園に入らせるであろう。}[禁止章8節]

4.もし彼に人やお金や名誉に不正がある時には、旅立つ前にそれを持ち主に返すか、彼らをそれから解放します。それは預言者の次の言葉によります。(同胞にお金や名誉で不正がある者は、1ディーナル(金貨)も1ディルハム(銀貨)もなくなる(審判の日の)前に、今日、それから解放されなさい。もし彼に善行があれば、彼の不正からその分が取り去られるでしょう。しかし、もし取り除かれる善行がなければ、彼はそれを背負うことになります。)(ブハーリーの伝承)

5.ハッジやウムラの費用にはハラールなお金から費やすこと。これは預言者の次の言葉によります。(至高なるアッラーは、良きものです。良いもの以外には受け入れません。それでアッラーは、使徒たちに命じたことによって信者に命じられました。使徒たちよ、良いものを食べ、善い行いをしなさい・・信仰する者よ、われがあなたがたに与えた良いものを食べなさい。そしてアッラーに感謝しなさい。もしあなたがたが本当に、かれに仕えるのであるならば。(雌牛章172節)それから旅が長くなり髪がぼさぼさで埃まみれになって両手を天に伸ばし主よ、主よ、と祈る男について、述べ、彼の食べ物はハラームで、飲み物はハラームで、衣服はハラームで、またハラームで養われているとしたら、どうやってそれに応えられますか?とおっしゃいました)。(ムスリムの伝承)

6.ハッジやウムラで意図されるのはアッラーと来世に向かうこととアッラーに近づくことでなければなりません。それにはその高貴な場所でアッラーの喜びを得るような言行を行うことによります。またハッジで現生とその虚飾や名声や体裁や見せびらかしを意図することには細心の注意を払わなけらばなりません。

7.ハッジやウムラで定められている規則を学ぶ必要があります。そして疑問があるところについては質問し、その識者となるためによく理解すべきです。しかし残念なことに巡礼者の多くは、巡礼のやり方を知らないまま巡礼に出かけています。そのためにいくつかの義務行為を行わずハッジを無効にしてしまうことになります。

イフラームの規則から

Îムフリムは、ウドゥーやグスル(沐浴)の時頭を撫でて髪の毛が落ちても(巡礼を)害することはありません。同様に口髭や顎鬚や爪などが落ちても、そこに意図的なものが無ければ害することはありません。またこのことは男性女性にかかわらず髪の毛や爪が落ちても同じく害することはありません。ムフリムは、もし必要があったり益があるなら足に(紐やリボンなど)結ぶことは許されます。

ニーヤ(意思決定)の条件

病気があったり事故があって行事を完結できないと恐れる者は、イフラームになるとき次のように言って条件を付けることが好ましい事です。(ラッバィカッラーフンマ・ビ・ウムラ(あるいは、ウムラの代わりに別のもの)。ファ・イン・ハバサニーハービス・ファ・マヒッリー・ハィス・ハバスタニー)意味:アッラー、私はウムラのためにあなたの御前にやって来ました。もし私を妨害するものがあれば、あなたが妨害した処が私のそれを解く場所です。

またアーイシャは伝えました。(アッラーのみ使いは、ドゥバーア・ビント・ズバィルの処に入られ、彼女におっしゃいました。貴女は、ハッジがしたいのでしょう?彼女は言いました。アッラーに誓って、私にはワジア(痛み))(ワジア:病気)(しかありません。彼は彼女に言いました。条件を付けてハッジをしなさい。そしてこう言いなさい。アッラーホンマ・マヒッリー・ハィス・ハバスタニー意味:あなたが妨害した処が私のそれを解く場所です。)(合意の伝承)ですからそのように言えば、妨害がある者はそこで償いをすることなしにイフラームを解いても問題はありません。



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