任意の礼拝

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任意の礼拝の定義

任意の礼拝:

この礼拝は、義務ではありません。

任意の礼拝の美徳

1.任意の礼拝はアッラーが彼のしもべをより愛する理由になります。これについては、次の至高なるアッラーの言葉、ハディース・クドゥスィー(神聖ハディース)に記述があります。 «私(アッラー)のしもべは任意の礼拝によって、私がかれらを愛するまで私に近付き続けています。したがって私がしもべを愛する時、私は彼が聞く耳、見る眼、握る手、歩く足となります。もし彼が私に願うならば、私は彼にそれを与えます。もし私に保護を求めるならば、私は彼を保護します。» (ブハーリーの伝承)

2.任意の礼拝は義務の礼拝の不足な点を補います。預言者は言いました。 «本当に審判の日に最初に審判される人間の行いは礼拝です。我らの主(崇高な御方)は、天使たちにかれのほうが天使よりもご存じであるのに、こう言います。:「私(アッラー)のしもべの礼拝を見なさい。かれは完璧に行ったか、それとも不足があったでしょうか?」もし完璧であれば、そう記されるでしょう。しかし、いくらかでも不足な点があれば、アッラーは仰せられます。「見なさい。私のしもべは任意の礼拝を行いましたか?」もし行っていれば、アッラーは仰せられます。「私のしもべのために彼の義務の礼拝を任意の礼拝で完了させなさい」そして残りの行為も同じように扱われます。
(アブー・ダーウードの伝承)

任意の礼拝は家で行われることが最も良い

任意の礼拝は、例えばラマダーン月のタラウィーフのように集団で礼拝する事が推奨されているもの以外はマスジドで礼拝をするより家で礼拝することがより良いことです。預言者は申されました。 «本当に人が行う最良の礼拝は、義務のものを除いて家で行われるものです。
(ブハーリーの伝承).

任意の礼拝の種類

任意の礼拝には沢山の種類があります。そのうちの重要なものは以下の通りです:

第1:スンナの礼拝(スナヌ・ラワーティブ)(ラワーティブ:ラーティバの複数形で、恒常的な物事)

これらは義務の礼拝に付属するスンナで、スンナ・ムアッカダ(確実なスンナ)と呼ばれる。

これらのスンナの礼拝の総数は10または12のラクアです。それらは次の通りです:

- ファジュルの前の2ラクア

- ズフルの前の4ラクアか2ラクアまたその後の2ラクア

- マグリブの後の2ラクア

- イシャーの後の2ラクア

イブン・ウマルの伝承によると、彼は言いました。 私は預言者から10ラクアだと学びました。ズフールの前の2ラクアとその後の2ラクア、家で行うマグリブ後の2ラクア、家で行うイシャ―後の2ラクア、そしてスブフ(ファジュル)前の2ラクアです。» (合意の伝承)

またこれに類似する伝承がアーイシャから伝えられていますが、それではズフル前は4ラクアです。 (ムスリムの伝承)

義務の礼拝後のスンナ
義務の礼拝
義務の礼拝前のスンナ

ــــــــــ

ファジュル

2ラクア

2ラクア

ズフル

û4ラクア

ــــــــــ

アスル

ــــــــــ

2ラクア

マグリブ

ــــــــــ

2ラクア

イシャ―

ــــــــــ

Çê預言者が行った旅行中もしくは自宅における最良のスンナの礼拝はファジュル前の2ラクアです。これはアーイシャが語った次の伝承によります。 «預言者様は、任意の礼拝でファジュルの前の2ラクアの礼拝程、強く課していた礼拝はありませんでした。» (合意の伝承)

義務の礼拝を妨害しないように2ラクアの礼拝を短縮することはスンナです。これはアーイシャが語った次の伝承によります。 «預言者様は、いつもスブフの前の2ラクアの礼拝を短縮したものでした。それは私が彼はウンムル・キターブ(啓典の母:アルファーティハ章)を朗唱しましたか?と言う程でした。»
(ブハーリーの伝承)

ファジュルのスンナ(2ラクア)のカダー(取り戻す礼拝)は許可されています。:

1.スンナを行わなかったら、スブフの礼拝後にそれを行うこと。カイス・イブヌ・アムルの伝承によると「アッラーのみ使いはスブフの礼拝の後で2ラクアの礼拝をしている男を見て言いました。 スブフの礼拝は2ラクアです。」その男は言いました。「その前の2ラクアの礼拝を行いませんでした。それで今、それを行ったのです。」するとアッラーのみ使いは沈黙されました。
(アブー・ダーウードの伝承)

2.日の出後に行うこと。これは次の預言者の言葉によります。 ファジュル(前の)の2ラクアの礼拝を行わなかった者は、日の出後にそれを行いなさい。» (ティルミズィ―の伝承)

要請

- ズフルの後の4ラクアの礼拝の功徳は預言者の御言葉によって確定されています。 «ズフルの前に4ラクア、ズフルの後に4ラクアの礼拝を行う者は、アッラーは彼が火獄に入る事を禁じるでしょう。»
(アブー・ダーウードの伝承)

- ムアッカダ(確定された)スンナ以外のものでムスタハッバ(好ましい)スンナはアスルの前の4ラクアです。これは次の預言者の言葉によります。 «アッラーは、 アスルの礼拝前に4ラクアの礼拝を行う者に慈悲をお与えになります。
(アブー・ダーウードの伝承)

- アスルとマグリブとイシャ―の前の礼拝は確定されていなスンナとして定められました。これは次の預言者の言葉によります。 «二つのアザーンの間には礼拝がありますと3回言って、3回目には、その後にそれを望む者にはと続けました。»
(合意の伝承)

- 忘却の為または寝過ごした為に逃したスンナの礼拝をやり直すことは許るされます。それが礼拝を行う事が嫌われる時間であってもです。預言者がアスルの礼拝の後、ズフルに続くスンナの礼拝を逃した後にそうしたのが理由です。

第2:サラートル・ウィトル
(奇数の礼拝)

その規定と功徳

サラートル・ウィトルはスンナ・ムアッカダ(確定されたスンナ)です。預言者は以下のように述べました。 «本当にアッラーはウィトル(1つ)です。そして奇数のものを好まれます。ですからクルアーンの民よ!奇数の礼拝(サラートル・ウィトル)を行いなさい。»
(アブー・ダーウードの伝承)

かつて預言者はその礼拝を旅行中でも居住地でも行っていました。

サラートゥル・ウィトルの特質

1.サラートル・ウィトルの最小数は1ラクアで、最大数は11か13ラクアです。一度に2ラクアとづつ行い、そして最後に1ラクアを行い奇数の礼拝にします。

2.より完璧な形の最小ラクアは3ラクアです:まず初めに2ラクアの礼拝を行いタスリームを言います。それから1ラクアを行いタスリームを行います。または3ラクアを続けて行い1度のタシャフッドで礼拝することもできます。初めのラクアではファーティハ章の後に至高者章、第2のラクアで不信者たち章、第3のラクアで純正章を朗唱することが好ましいこととされています。これはウバイ・イブヌ・カアブの次の伝承によります。 アッラーのみ使いはサラートル・ウィトルの最初のラクアで「サッビヒスマラッビカルアァラー (至高者章))、第2のラクアで「クルヤ― アイユハルカーフィルーン(不信者たち章) そして、第3のラクアで「クルフワッラフ アハド」(純正章) を詠みました。» (ナサーイーの伝承)

サラートゥル・ウィトルの時間:

これはイシャ―の礼拝の後から夜明け(ファジュル)までの時間です。夜の最後の3分の1に行うのが最も良いと言われています。これはジャービルの伝える次の預言者の言葉によります。 «夜の最後の部分にウィトルの礼拝ができないことを恐れる者は、夜の初めにそれをしなさい。」また次の預言者の言葉によりウィトルは2回行いません。「1つの夜に2つのウィトルはありません。
(アブー・ダーウードの伝承) 夜の最後に礼拝したい者は、夜の最後にウィトルの礼拝をしなさい。本当に夜の最後の礼拝は、証言されます。それはより良いものです。» (ムスリムの伝承)

ウィトルのドアー(祈願):

ウィトルの礼拝のドアーは、最後のラクアのルクーウの前に行われる。あるいはそこから立った時に行われる。その時、両手を上げ記述されているもので祈る。それは次のようなものである:«アッラーフンマフディニー フィーマン ハダイトゥ。ワ アーフィニー フィーマン アーファイトゥ。ワ タワッラニー フィーマン タワッライトゥ。ワ バーリク リー フィーマー アァタイトゥ。ワ キニー シャッラ マー カダイトゥ。ファインナカ タクディー ワ ラー ユクダー アライク。インナフ ラー ヤズィッル マン ワーライトゥ。ワ ラー ヤイッズ マン アーダイトゥ。タバーラクタ ラッバナー ワ タアーライトゥ。意味:アッラーよ、あなたが導かれた者の中に私を導いて下さい。あなたが護った者の中で私を護って下さい。あなたがその諸事を引き受けられた者の中で、私の諸事をお引き受け下さい。そしてあなたが与えて下さったものにおいて私を祝福して下さい。そしてあなたが運命付けた悪から私を御護り下さい。あなたこそが判決を下されるお方で、判決される者ではありません。あなたは、あなたが保護された者を辱めることはありません。そしてあなたから敵対された者は、権勢を得ることはありません。私たちの主よ、あなたは祝福に溢れた崇高なお方です。(ティルミズィーの伝承)

(アブー・ダーウードの伝承) (ブハーリーの伝承)

ーイマームがドアーを行っているときマァムーンはその後ろで沈黙しています。そのドアーでは、アッラーへの「あなたは真実によって裁かれます。」といった称賛の言葉は除かれます。

要請

1.ウィトルの後に“スブハーナルマリキルクッドゥー ス” (アフマドの伝承) (意味:聖なる王者に称えあれ)と3回繰り返し、すのがスンナです。3回目は声を伸ばし、大きく言うのがスンナです。また次の言葉を付け足すこともできます ラッビルマラーイカティ ワッルーフ。(意味:天使たちとジブリールの主に)

2.ドアーの後やウィトルやそれ以外でも顔を拭うことは定めれていません。何故なら預言者の言行には記録されていないから です。

3.ウィトルのドアーは、一年中許可され、ラマダン月の後半だけに限定されません。それは全ての義務の礼拝においてまた、災難に見舞われた時にはすべての礼拝で推奨されます。

4.礼拝中にクルアーンを完読したことに対するドアーは定められていません。

逃したウィトルのサラートを日中に補うこと

日中に逃したサラートル・ウィトルを補う事が許可されています。その時は、同じ数のラクアを行います。アーイシャの伝承によると アッラーのみ使いは痛みやその他の理由で夜に任意の礼拝を逃した場合は、日中に12ラクアの礼拝を行っていました。 (ムスリムの伝承)

第3:タラーウィーフの礼拝(サラート・タラーウィーフ)

タラーウィーフ:それはラマダンの間に行われる夜の礼拝です。 タラーウィーフと名付けられたのは、人々が礼拝の長さの為に4ラクア毎に休みを取っていた(ヤスタリーフ)ことによります。

サラート・タラウィーフの功徳:

預言者はおっしゃいました。 ラマダーン月に信仰と報酬を求めて礼拝に立つ者は、彼の犯した罪は許されます。 (合意の伝承)

タラーウィーフの規定

タラウィーフは祝福されたラマダーン月にアッラーのみ使いが定められたスン ナ・ムアッカダ(確定されたスンナ)です。それは預言者が彼の教友たちと共に預言者マスジドで数晩タラウィーフの礼拝を行いましたが、それからそれを中止しました。それが彼らに義務として課されることを恐れたからです。そして彼の死後、教友たちは、それを再開しました。 (ムスリムの伝承)

サラート・タラウィーフのラクア数:

サラート・タラウィーフにおいて行われる最良のラクア数は11 です。何故なら預言者が一番多く行ったラクア数だからです。アーイシャの伝承によるとアーイシャは預言者がラマダーン中にどのように礼拝を行ったかを聞かれた際にこう答えました。 «アッラーの預言者はラマダン中もそれ以外の時も11ラクア以上の礼拝は行いませんでした。» (合意の伝承)

イシャ―のニーヤ(意図)でのサラート・タラーウィーフ

イシャ―の礼拝に遅れてやって来た時、 人々がタラーウィーフの礼拝をしていたら、イシャーのニーヤでその礼拝に加わります。そしてイマームがタスリームをした時、立ち上がって自分の礼拝を完遂します。

要請

1.夜間の礼拝(タハッジュド)は一年を通してスンナ・ムアッカダ(確定されたスンナ)です。それを放棄する事は、マクルーフ(嫌われる行為)です。アブドゥッラー・イブヌ・マ

スウードの伝承によると「アッラーのみ使いの処で、ある男の話になりました。同胞はこの男が朝まで睡眠を取り礼拝に起き上がる事なく、朝を迎えるだろうと言いました。そこでアッラーのみ使いは次のように述べました。«Şシャイターン
(悪魔)が彼の耳に小便をしたのです。»
(合意の伝承) また人は夜間の礼拝に慣れた後に、それを辞めることは、マクルーフです。

アブドゥッラー・イブ ン・アムル・イブヌ・アルアースは言いました。「アッラーのみ使いは述べました。 アブドゥッラーよ!夜間の礼拝に立っていたのに、突然それを辞めてしまった誰それのようにはなってはいけません。»

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礼拝の為に起きる

2.就寝時に夜間の礼拝を行うニーヤを持つことは好ましいことです。そして目覚めた者が、 睡眠から目が覚めた時の祈願(ドゥアー)を述べ、両手で顔から眠気を拭いさり、スィワーク(小枝の歯ブラシ)を使う事がスンナです。フザイファは伝えました。:アッラーのみ使いは夜間に礼拝に立った時は、口をスィワークで洗浄し
(歯の上を通過させて歯を磨く)していました。」また天を見て、イムラーン家章の最後の10節を朗誦することはスンナです。 アブドゥッラー・イブン・アッバースはアッラーのみ使いの妻であり、父方の叔母であったマイム―ナの家で夜を過ごしました。アブドゥッラーは言いました。「私はベッドの横向きに眠り、アッラーのみ使いと彼の妻は縦に横になりました。預言者は夜の半分かそれに近くまで睡眠を取りました。そして預言者は目を覚まし、顔から眠気を拭いました。ー別 の伝承では、彼は座り天を見たーそれからイムラーン家章の10節を朗誦しました。ー別の伝承ではイムラーン家章の最後の10節を朗誦した」

夫は夜間の礼拝の為に目を覚ました時に、妻を起こす事は好ましい事とされています。妻も同じように夫を起こす事が勧められています。預言者は述べました。 û夜、夫が妻を起こし2ラクアの礼拝を一緒にあるいは一人で行ったとしたら、二人はア ッザーキルーンとアッザーキラート(意味:常にアッラーを正念する男性と女性たち)の中に記載されるでしょう。 (合意の伝承)
(アブー・ダーウードの伝承)

3.夜間の礼拝で眠気に襲われた者は、それを中止し、眠気が無くなるまで、しばらく横になります。アーイシャの伝承によると預言者は次のように語りました。«礼拝の間 に眠気に襲われた時は、眠気が無くなるまで横になるべきです。うたた寝しながら礼拝を行ったとしたら、(眠気が原因で)罪の赦しを請う代わりに自分を責めてしまうかもしれません。» (合意の伝承)

«4.イスティグファール(赦しを願うこと)とドアーは夜の後ろの3分の1に行うことが望ましい。これはアブー・ホラィラの伝えた次の伝承によります。 アッラーのみ 使いはおっしゃいました。「アッラーは夜の後ろの3分の1になると、地球に一番近い天に降りてきて仰せられます。「私に祈る者には、私は彼に応えるます。私に求める者には、与えます。私に赦しを乞うものには、赦します。» (合意の伝承)

第4:サラート ドハー
(午前の礼拝)

これは、ドハー(午前)の時間に定められた礼拝です。

ドウーハの時間:

それは日が昇り槍の長さまでに上った時間から(この上昇は日 の出より約20分程です)、ズフルの礼拝の約15分もしくは20分前まで続きます。その最も良い時間は、次の預言者の言葉により、厳しい暑さが始まる時間とされています。 «よく改悛する者たちの礼拝は、フィサール(フィサール:フ ァスィールの複数形。母ラクダから離されたばかりの子ラクダ。)(子ラクダ)の足が砂漠の暑さから焼ける(灼熱の砂でラクダの子供の蹄が焼けること)時です。 (ムスリムの伝承)

ドハー礼拝の美徳

ハディース・クドゥスィー(聖なるハディース)で至高のアッラーは仰せられました。 アーダムの息子よ、朝の早い時間に4ラクアの礼拝を私のために行いなさい。そうすれば私はあなたをその終わりの時まで守ります。 (ムスリムの伝承)

ドハーの礼拝のラクア数

2、4、6または8ラクアの礼拝を行う事が許可されます。また2ラクア毎にタスリームを行うことが正しく、それは預言者の行いによります。

- これは、身体のそれぞれの関節(元の意味は、指の骨と残りの手の平。その後、身体の全ての 骨と関節に使われるようになった。)にサダカ(施)を支払う手段の一つです。預言者は述べました。 «毎日朝になるとあなた方は皆全ての関節や骨にサダカをすべきです。それはタスビーフ(スブハーナッラーと唱えること)の一つ 一つは施しですし、タフミード(アルハムドゥリッラーと唱えること)の一つ一つは施しですし、タハリール(ラーイラーハ イッラッラーと唱えること)の一つ一つは施しですし、タクビール(アッラーフアクバルと唱えること)の一つ一つは施しです。また善行を奨めるのは施しですし、悪事を禁じるのも施しです。そしてドハーの2ラクアの礼拝もその一部です。» (ムスリムの伝承)

- そこで4ラクアの礼拝を行う者は、アッラーは一日彼をお守りになります。ヌアイム・イブヌ・ハンマール・アルガタファーニーは次のように預言者が語ったと伝えた。「至高のアッラーは(ハディ―ス・クドゥスィーで)申されました。 «アーダムの息子よ!わたしの為に4ラクアの礼拝を1日の早い時間に行いなさい。そうすれば残りの時間あなたを守りま す。» (アフマドの伝承)

―集団でファジュルの礼拝を行い、日の出までアッラーを唱念した者はハッジとウムラの完全な報酬を得ます。預言者は言いました。 集団でファジュルの礼拝を行い日の出までアッラーを唱念(ズィクル)して座り、2ラクアの礼拝を行う者は誰でも、ハッジとウムラの報酬と同等のものを得るでしょう。」預言者は言いました。「完全に、完全に、完全に、»
(ティルミズィーの伝承をアル・バーニーが正しいと評価した伝承)

第5:サラート・タヒーヤトゥル・マスジド(マスジドに敬意を払う挨拶の礼拝)

これはマスジドに入った者が、座る前に行うよう定められた2ラクアの礼拝です。

その規定:

それはスンナ・ムアッカダ(確定したスンナ)です。その根拠は、次の預言者の言葉によります。 «マスジドに入った者は、座る前に2ラクアの礼拝を行 いなさい。» (合意の伝承)

しかしスンナの礼拝や義務の礼拝がそれに代わることがあります。例えば、ズフルの礼拝のためにマスジドに入った者は、すぐにズフルの前のスンナの礼拝を行った場合、その礼拝は、タヒーヤトル・マスジドに代わったことになり、改めてその礼拝を行う必要はありません。

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マスジドへの挨拶

第6:イスティハーラの礼拝

この礼拝は2ラクアに決められています。ア ッラーのしもべが選択を求められる事柄で混乱した時、決断する前にアッラーの導きを求めて行う礼拝です。礼拝後、預言者様がサハーバ(教友たち)にルアーンの章を教えられたように、彼らに教えた特別な祈願(ドアー)を唱えます。

アッラーの導きを願う祈願
(ドアー):

預言者は述べました。 もしあなた方が何かに迷ったら任意の2ラクアの礼拝をし、それからこう唱えなさい:「アッラーフンマ インニー アスタヒールカ ビ・イルミ カ、ワ アスタクディルカ ビ・クドゥラティカ、ワ アスアルカ ミン ファドゥリカルアズィーム。ファインナカ タクディル ワ ラー アクディル、ワ タァラム、ワ ラーアァラム、ワ アンタ ア’ッラ―ムルグユーブ。アッラーフンマ インクンタタァラム アンナ ハーザルアムラ ハイルッリー フィー ディーニー ワ マアーシー ワ アーキバティ アムリー」(あるいはこう言う:アージリアムリー ワ アージリヒ)「ファクドゥルフ リー ワ ヤッスィルフ リー スンマ バーリク リー フィーヒ。ワ イン クンタ タァラム アンナ ハーザルアムラ シャッルッリー フィー ディーニー ワ マアーシー ワ アーキバティ アムリー」(あるいはこう言う:アージリアムリー ワ アージリヒ) ファスリフフ アンニー ワスリフニー アンフ。 ワクドゥル リヤルハイラ ハイス カーナ スンマ アルディニー
(こう言った:そして必要なこ とを述べます。)
意味: アッラーよ、私はあなたの知識による選択を求めます。あなたのお力を求めます。私は偉大なるあなたの恩恵を求めます。あなたこそは何事も可能なお方で、私は無力です。あなたこそご存知で、私は無知です。あなたは不可視なる世界をご存知の御方です。アッラーよ、もしあなたがこのことが私の宗教と生活と事の結末にとって最善であるとご存知ならば(あるいは次のように言う:「私の現世と来世にとって最善であるとご存知な らば」)、私にそれを可能にし、容易くして下さい。それからそれにおいて私を祝福して下さい。そしてもしあなたがこのことが私の宗教と生活と事の結末にとって悪いとご存知ならば(あるいはこう言う:「私の現世と来世にとって悪いとご存知ならば」)、それを私から遠ざけ、そして私をそれから遠ざけて下さい。そしてそれがどんなことであろうと、最善の事を私に可能にして下さい。それからそれによって私を満足させて下さい。」それから必要なことを 言います。
(ブハーリーの伝承)ê

イスティハーラの現れ

イスティハーラを繰り返しても問題ではありません。そしてアッラーの助言を求める者はそれを明確にする夢を見ることは条件ではありません。アッラーの導きを求め自分で選んだ事に取り掛かるべきです。ただしその選択が親類関係を悪くしたり、罪を侵さないことに限ります。もしその事が成功したら、それが最も良い事であり、もし成功しなかったら、それも等しく最も良 い事です。

第7:小淨(ウドゥー)の後の2ラクアの礼拝

アブー・フライラの伝承によると「預言者はファジュルの礼拝の時、ビラールにこう言いました。 ビラールよ、イスラームで良き報酬をとり得るあなたの行った行為で最も望ましい行為を私に語ってみなさい。なぜなら私は夜間に(夢の中で)天国にいる私の前であなたのサンダルの音を聞いたからです。」するとビラールはそれに答えて言った。「私は特に価 値のあるような行為をしていません。ただ私は夜となく昼となく完全なウドゥー(小浄)なしにはアッラーが定めた礼拝をしたことはありませんでした。 (ブハーリーの伝承)ê

第8:無条件な任意の礼拝

この礼拝は特別な時間や理由に限定されません。

無条件な任意の礼拝は、礼拝が禁じられている時間を除く全ての時間に行うことが許可されています。

医学における夜半の礼拝

夜半の礼拝は、ホルモン・コーチゾン(副腎皮質ホルモンの一種)の分泌の減少を起こします。そしてそれは特に起きる数時間前に起こります。この期間は夜明け前(夜の後半3分の1)の時間に相 当します。この分泌の縮小は糖尿病患者に危険である血糖値の急上昇を防止します。

無条件な任意の礼拝の例

夜半の礼拝

預言者は述べました。 義務の礼拝に次ぐ最善の礼拝は、夜半の礼拝である。 (ムスリムの伝承)

またにこう述べました。 本当に楽園には内部の部分が外から見える部屋、そして外部の部分が内から見える部屋があります。 すると一人のべドウィン(アラブの遊牧民)が立ち上がり尋ねました。アッラーのみ使いよ!それは誰の為にあるのです か?預言者は答えました。これは良いことを話す者、貧困者に食事を与える者、いつも断食を行い、人々が眠っている夜にアッラーの為に礼拝を行う者です。
(ティルミズィーの伝承)

礼拝の禁止される時間

1.ファジュルの礼拝の後から、日の出後その高さが槍の長さになるまでの時間。通常この期間は日の出から約20分までです。

2.太陽が直接頭上で(子午線で)輝く時から、西の方向 へ傾くまでです。

3.アスルの礼拝から日没まで

この証拠は、次のウクバ・イブヌ・アアミルが伝えるハディースです。 アッラーのみ使いは私達が3つの時間に礼拝を行う事、死者をナクブル(ナクブラ:葬る)することを禁じました。: それらは太陽が明らかに(バーズィガタン)
(バーズィガ:明白)昇り、 高くなるまでと太陽が日没へ傾く(タダイヤフ) (タダイヤフ:傾く) 時から、日没までです。» (ムスリムの伝承)

禁止された時間に行われる理由がある礼拝

理由がある礼拝を行う事は許されます。例えばマスジドへの挨拶の礼やサラートゥル・ジャナーザ(葬儀の礼拝)などで、それがもし禁止された時間帯であっても許されます。